南相馬訪問記その5〜半径20㎞地点


地元の人からでないと聞けない話がどんどん出てきました。やはり現地に行ってみないと解らないです。長めのランチ会のあと各自が午後の予定に移動し、私は高橋さんの案内で、沿岸部に津波の被害を見に行きました。

がれきの山、送電線のない鉄塔、壊れた巨大な火力発電所、道路に唐突にの残された船。なんだか不思議な感じ。での正直、あまり感情が動かなかった。メディアの映像になれすぎたからでしょうか。時間がたってから訪れると、そこに家があったことが想像できないくらい、まっさらな土地が広がっています。

高橋さんも震災後4ヶ月以上がたって初めて行く箇所もあり「ここは一面全部集落で家が建ってたんだよ、ああ、ホントに全部なくなっちゃったんだね…」「ここでも人がいっぱい死んでるんだよね、見つかってない人も多いし」そこで、初めて被害の大きさや悲惨な出来事への想像力にスイッチが入ります。浮かばれない魂が、きっといっぱいあるんだなって。

いったん国道に戻り、原発20㎞の警戒区域境界線へ。警察車両が1台、警備の警官が2名。そんなに厳重な感じはしません。そのすぐ横には、道路ぎわに植えたひまわりの世話をするボランティアさんが4人がで作業中。朝からの雨も上がり、太陽の日差しがまぶしい国道沿いの夏の風景がそこにはありました。でも、警官は長袖でマスク姿。この先には入れません。

ちなみに警備しているのは秋田県警の警官。福島県警だと顔見知りとかに甘くなるといけないので、わざと他県の警官が担当しているらしいです。境界線すぐそばにはドライブインとセブンイレブンが。ドライブインは残念ながらこの日は営業していませんでしたが、結構人が来るので、観光スポット的に開いてるときは混んでいるらしい。

境界線をバックに高橋さんと一緒の写真を撮ってもらった私の訪問はまさに観光でした。でも行ってよかった。たとえ日帰りでも行く価値はあると思いました。この先には原発を中心に人の入れないエリアが半径20㎞にわたって存在する。あまりに平和な風景なので、たまたま警官がそこにいるぐらいの錯覚を憶えますが、本当は違う。ウソみたいなことが事実であるという不条理がそこにはありました。

福島駅に戻る前に南相馬市内の喫茶店で高橋さんと話をしました。友人の経営するこの喫茶店、ご主人が避難先からもどって、最近再開したそうです。

つづく・・・。

 

 

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